経済学:債券価格と金利の関係(2)
お待たせしました!(2)です!
(2)では、実際に債権の期限を無限として例を挙げて考えていき、債券価格と金利の関係について紐解いていきたいと思います!
1年後の1000円の価値
ここから、実際に債権の期限を無限として例を挙げて考えていきましょう
保有者に債権の保有の義務はなく、好きなときに売却できるとします。そして1年ごとに1000円の償還を受けられるものとします。
では、このときの債権の価格はどうなっていくのでしょうか?
今この債権を購入すると、1年後には1000円を受け取ることができます。
では、あなたはこの1年後の1000円は今の価値でいくらになると思いますか??
みなさん、お金の価値は変わらないから、1年後も1000円だと思いませんでしたか??
実は、これは大きな間違いなのです。
なんと、今の1000円は一年後の価値では1000円ではないのです!!
お金の価値が時が経つと変わる仕組み
では、実際にお金の価値が変わっていく仕組みを見ていきましょう。
何故今の1000円は来年の価値では1000円ではないのか?
それは金利があるからです。※(1)参照
もし今自分の手元にある1000円を金融機関に預けたら、来年には1000円よりちょっと金額が多くなりますよね!これが、お金の価値が変わっていく仕組みです。
来年の1000円の価値を式で表すと
1000(1+i) (iは利子率を表す。)となります!
この式より、1年後に1000の価値になるお金は
1000/(1+i) ※(1+i)分の1000
という風になります。
整理すると、
今の1000円→1年後1000(1+i)円
今の1000/(1+i)円→1年後1000円
となります。
このように、将来の価値を、利子率などを考えて現在の価値で表したものを割引現在価値といいます。
実際に債券の価値を考える
では、この割引現在価値を使いながら債券の価値を考えていきます。
債券の価格は1年後にもらえる1000円、2年後にもらえる1000円、3年後にもらえる1000円、4年後...と将来もらえることになっている1000円全ての価値を足したものになります。
2年後にもらえる1000円の価値は割引現在価値では1000/(1+i)^2 ※^2は2乗を表す
3年後は1000/(1+i)^3、4年後は1000/(1+i)^4...という風になります。
こういった計算の方法を無限等比級数といいます。
この計算方法はちょっと難しいので省略しますが、気になる方はググってみてください笑
この計算の結果は1000/iとなります。
つまり、債券の価格=将来もらえることになっている1000円全ての割引現在価値は1000/i円となります。
この式から分かるように、利子率が大きくなればなるほど償還額の総額(これから償還されるお金の価値)は小さくなることが分かります。
そして、債券の価格は償還額÷利子率ということが分かります。
将来まで利子率が5%で一定だとしたら、1000÷0,05=20000なので、債券価格は20000円となります。
償還額を利子率で割ればいいのは今回のように償還期限が無限である債券に限りますが、債券価格と利子率が逆方向に動くという関係は、一般の債券にも成り立ちます。
つまり、
利子率が上がる→債券価格は下がる
利子率が下がる→債券価格は上がる
ということです。
さらにわかりやすく
正直、式から求めただけで少し分かりにくいと思う人がいるかと思いますので、次に私なりに考えた理解の仕方を書きたいと思います。
もし、世の中の銀行の金利が一斉に上がって10%になったとします。
すると、債券なんかでちまちま償還額を稼ぐより、銀行に預金して金利を受け取った方が楽だし良い!と思う人たちが増えていきます。(もちろん、金利10%の銀行など破産しそうで誰も振り込まないかもしれませんが、ここでは利益だけを考えたこととします。)
そうすると、債券の人気がなくなり、債券価格は下がっていくということです。
もちろん逆も同様に、世の中の利子率が下がれば債券で償還を得る方が良いと考える人が増えて債券価格は上がっていきます。
これが、債券価格と利子率の関係です。
ご理解していただけましたか?
自分なりに分かりやすく書いたつもりですが、、、分からないところがあったらご指摘よろしくお願いします。
それでは、お疲れ様でした!!!